STAFF INTERVIEW!
PROFILE
工藤 佐規子
取締役/ディレクター
- どんな仕事してる?
- 会社の経営方針を決定
お客様との窓口 - ひとこと
- イツデモツイテル!!
INTERVIEWER
話し始めた瞬間から一気に引き込まれる。話のテンポ·表情、そして何より笑いの絶えないインタビューでこちらの緊張を解き、オリーブ随一と言われるコミュニティスキルを肌で感じながら聞く破天荒な創業エピソードは、それ自体がエンターテイメント!10周年記念インタビュー第1弾は、(株)オリーブ取締役·工藤佐規子さん。会社の創立期からこれまで、そしてこれからのお話を聞いてきました。
中学の頃は作家になりたかった
佐規子さんはオリーブに入る前は看護師をされていたとお聞きしましたが、元々看護師になりたかったんでしょうか?
本当は保育士さんになりたかったんですけど、母親に「少子化で子供減ってるし、看護師にしなよ」と言われて。「え~?」とは思ったんですが、病院にお見舞いに行った時に看護婦さんを見る中で、自分もこんな風に人を助ける仕事をしたい!と思うようになりました。
どちらの職業も人とのコミュニケーションが大事なところですよね。
そう、喋りたいんですよとにかく!
(笑)。
学生時代も基本的に女子校だったので、時間さえあれば友達とずっと喋っていて(笑)。看護師になった時も、辛い時に患者さんと喋ることで癒されることも多くて。
ええ、それはすごい!
新人で仕事ミスしてへこんでいるに、患者さんのおばあさんに「どうした~?」なんて話しかけてもらって、話して癒されるとか。誰かと話すことで気持ちが前向きになったり、っていうことはすごく多いですね。
なるほど。では学生時代を経て、看護師でみごと夢を叶えていったと。
他にもやりたいことはあったんですけどね。中学校の時は作家になりたかったし。
作家!
学校の文集で特選に選ばれたりして調子に乗っちゃって…作家とか絵本作家とか。当時結構まじめに考えてましたね。自分でお話書いたり、4コマ漫画を描いてみたり。
結構意外な感じもありますね。喋り好きで明るいイメージが先行しがちですが、インドアな作業もお好きだったりするんですね。
暗いところも全然ありますよ!全て遮断して1人の時間とか必要ですし。
でも知らない人にグイグイ話しかけたりもするという。
全然する!
簡単にカテゴライズできない深みがありますね。明るく振る舞ってるけど実は人見知りで…みたいなよくあるパターンでもなく。どちらの振り幅も芯にあるというか。
ああ~。そういう意味では変わってるかもしれないです。
部屋空いてるから使っていいよ
佐規子さんといえばオリーブ創設メンバーですよね。佐規子さん視点での創業経緯などお聞きしたいです。ご自身の結婚式ムービーを橋本さん(代表取締役)に依頼したのが橋本さんとの最初の出会いということで?
あれは元々拓也くん(夫、オリーブスタッフ:工藤拓也)が橋本さんと連絡を取っていて、私は全くの初対面でしたね。結婚式の映像を式場の業者に頼むか橋本さんに頼むか検討していて。とりあえず話を聞いてみて決めようかなと。
なるほど。
そしたら遊佐のエルパ*1に来てくれということになって。
エルパに!?
しかも夜なので各店舗が閉店間近のエルパに行ったら、過去作品のDVD抱えた橋本道春がそこにいて(笑)
え、エルパの駐車場で打ち合わせしたんですか!?
エルパの入り口のベンチで!(笑)それが初対面です(笑)
(やば!!!)ベンチャーですね~!その頃は橋本さんお1人で仕事されていた時ですか?それにしても打ち合わせなら喫茶店とか…
そう、橋本さん個人事業主時代。そんな初対面だから、正直怪しいと思って(笑)
(爆笑)!
やっぱり業者の方がいいかな~とか会うまでは考えたり。
一生に一度の結婚式ですからね。もし制作途中で逃げられたりしたら…
そうそう(笑)。でも橋本さんと会って話して、1発で「めっちゃいい人!」って思って。金額とか映像の内容とか細かい所はどうでもよくなってしまうくらいで、とにかくこの人にお願いしようと。
おお~!
とにかく人柄が気に入って、帰りの車中は夫婦で「次会ったときは名前なんて呼ぶ?」って話で盛り上がって(笑)
(笑)。映像の中身の話ではなく。
それで結局映像をお願いして。で、映像作ったら実際に流れてるところも見たいんじゃないかなと思って、橋本さんを結婚式に呼んで。
参列者として!?
橋本さんのリアクションが気になって、結婚式のエンドロールの時は、会場の外から流れてる映像を見ている橋本さんを夫婦2人で観察してました(笑)
(全員変わってるなあ…)そんな濃い出会いがありつつ佐規子さんご夫婦もオリーブに参加されると思うのですが、これはどのような経緯だったんでしょうか?
結婚式からしばらくして、橋本さんから「一緒にやらない?」と誘われました。
…シンプルですね!
でも私も拓也くんも映像やったことないし、手伝えることあるの!?とは思いました(笑)。でも面白そうだし、一緒にやろうということになって。
当時の橋本さんの思惑は橋本さんのインタビューで詳しく聞いてみます。ともかく初期オリーブが結成されたと!
で、当時夫婦で余目の戸建て賃貸に住んでいて、部屋空いてるから使っていいよって。
え、なんですか?
使ってない広い部屋があったので、橋本さんが作業する場所に使ってもらおうということでPCや備品を部屋に持ってきたんですよ。
お2人の家に橋本さんのオフィス部屋を作ったんですか!?でもまだ新婚のご家庭ですよね?
結婚して…半年くらい経った時ですね。
半年!!それは…大丈夫なんですか?
もちろんよく言われました!そこは拓也くんのスタンスというか。出かける時も遊ぶ時も2人だけというシチュエーションはあまりなくて、常に誰か別の友達がいるんです。元々地元の友達が頻繁に遊びに来たり、人の出入りは多い家だったこともあったのでそういう環境に自分が慣れた部分はあります(笑)。
慣れるものですか…
はじめはそこでケンカもしましたけど1~2年もすれば慣れますね。なので新婚だから他の人が家に来るのはあんまり、みたいな感覚は全くなかったです。
(ほんと変わってるなあ)そうしてオリーブが始動して。その当時は看護師を続けられていたんですよね?
そうです、日中は病院勤務。
当時のオリーブさんへは仕事ではなく飽くまで「お手伝い」の関わり方だったそうですが、具体的にはどんな部分を担当されていたんですか?
お金の出し入れの管理と簡単な書類作成などです。あとはスキャンとか。
なるほど。そして家で橋本さんが作業されている状態で。橋本さんは朝から夜までいたんですか?
真夜中まで!(笑)
まさに創業期のベンチャーですね。でも夫婦は日中のお仕事なわけで、大変な所はなかったですか?
それが夜中が1番楽しかったんです。橋本さんの作業が煮詰まった時なんかに、みんなで意見を出し合ったりくだらない雑談を夜通し話したり。
それは楽しそうですね!雑談の波長が合うのは重要ですね。きっと夜食なんかも食べたり。
そうそうそう!私が仕事から帰ってカレーとか鍋とか作って、「ハイみんなお皿持って~!」みたいな。同じ釜の飯を食うじゃないですけど。
もちろん仕事が前提ですが楽しそうですね。
楽しかったですね!ちょうどその少し後から徹くん(オリーブスタッフ)も仕事帰りに家に寄るようになって。
メンバーが集まってきましたね。もう家に家族以外がいる状態が当たり前に。
そうですね。余目の家時代は1~2年くらいの短い期間なんですが、みんなでいる時間がとにかく濃かったですね。
入社3ヶ月で取締役になりました(笑)
その後オリーブが酒田の東町にオフィスを構えますが、その時の印象を教えてください。
淋しかったですね。
淋しい!
今までは橋本さんだけだったので日中の様子もある程度分かるけど、人も増えて作業も増えて、自分の知らない部分が増えることに対する疎外感というか。
全体を把握できない部分が出てきたと。
そうそう。今までは会社の流れを全部分かってたんですが、ここだけやれば大丈夫、と仕事の範囲が固定されたことで見えなくなる部分もあって。
その当時も看護師を続けながら、仕事終わりでオリーブに行く、という流れですか?
ですね。日中看護師の仕事をして、夕方18 時くらいにオリーブ行って、経費の打ち込みや案件管理などをしていました。そして、そうこうしているうちに子供が産まれたんです!
おめでとうございます!そうすると看護師の仕事、オリーブの手伝いに加えて子育ても始まって。働き方や考え方に変化はありましたか?
ありました。看護師の方は産休を取ったんですが、今までの働き方だとどう考えても回らないことは目に見えてたので、橋本さんにもめっちゃ相談して。
全部やるのはかなり厳しいですよね。
看護師もオリーブも好きなので、この関わり方を続けていければいいかなと思っていたんです。でも今度は親としての時間も必要になってくる。そうするとどちらかは諦めないといけないのかな、と考えた時に…どうしようと。
難しい問題ですね。悩まれて、最終的にどうされたんですか?
正式にオリーブに入社することに決めました!
大きな決断ですね。決め手はどんな所でしたか?
改めて考えて、自分の生活でオリーブの占める割合が大きくなっていることに気づいたというか。オリーブが面白いから看護師頑張ろうと思ってたところもあったりして。自分にとって楽しい方、後悔しない方の選択をしたいという気持ちだと思います。
大事ですね。
橋本さんからも即答で「うち来なよ」と。悩んでいる時は本当に欲しい一言をパッと言ってくれるんです。
素晴らしい。そして改めて入社して。肩書きとしてはどんな役職だったんですか?
はじめは何もない平社員だったんですが、入社3ヶ月で取締役になりました!(笑)
3ヶ月の試用期間経て!(笑)大出世!
やばいよね(笑)。今、専務取締役にする?って話してるところです(笑)
そして東町オフィスから、現在の酒田市新橋のオフィスへと移転するわけですよね。仕事内容の変化はありましたか?
新しいWeb事業としてハニカミムービー*2を立ち上げまして。受注から納品まで、制作と顧客対応のフローを考えて、事業の骨組みを1から作ったのは思い出深いですね。
今では会社の大事な柱の1つですよね。感慨もひとしおだと思います。現在の仕事内容としてはどのような流れですか?
ハニカミはもう自分の手を離れて、今は会社の全体的な折衝やプロジェクトのディレクションなどを主に受け持っています。
会社の成長と共に仕事内容も変遷がありますね。やってきた仕事の中で、自分にとって向き·不向きは感じますか?
不向きなのは、毎日同じ仕事の繰り返しみたいなことは苦手でした。現金数えたりとか(笑)。向いてるなと思ったのは…プロジェクトマネージメントは好きだし、あとはやっぱり人と話す仕事ですかね。
自分にとっては子供のような。
創設メンバーとして、人が増えてきたことに対して思うところはありますか?
数が増えてきたことで、人の数だけ視点が増えることがとてもいいなと思っていて。現在社員9人ですが、9通りの考え方、意見をどう活かせるかを常に考えてます。だから固定された考えだけでなく9人の意見をうまく出すことで、「オリーブさんはいろんな色があるね」って言われたいです。
お話を伺うと、佐規子さんはプレーヤー気質なのかなとも思いましたが、全体を俯瞰してマネージメントの視点もがっちりあるのは凄いですね。
自分でもプレーヤーが性に合ってると思います!(笑)なんでも現場が好きだし、現場を把握したいし。
その視点だと現場だけの目線になりがちですよね。でもそこで会社全体を見通したり、プロジェクトや人間関係のケアまで目が届いている。ここでも両面併せ持っているというか。
う~ん、そうなのかな(笑)。でも社内みんなが気軽に接してくれるのは嬉しいですね。いい意味で上司扱いしないというか(笑)。
それは佐規子さんの人柄ですよね。ある意味世の中の上司が1番苦心しているところがサラッとできてしまうという。
いやいや、ありがたい話です。ほんとに。
業績として数字ででない部分だとは思いますが、社内の空気であったり、内外の円滑なコミュニケーションの部分で佐規子さんの貢献は計り知れないですよね。
いやいやいや。いいこと聞いたな~!社長聞いてる~!?
(笑)。オリーブの全部の時代を見てきた佐規子さんですが、どの時期が1番楽しかった、ということはありますか?
難しいですね!う~~~ん、どうだろう…。
もちろん会社のステージが違えば楽しさの意味も違うとは思いますが。
う~~~ん、でも今かな。最初の時期から、この先どうなるかが分からないところはあったんですが、今もその状態なので(笑)。どこか根底に、この先が読めない面白さというか、これから何があるのかな?というところにワクワクする気持ちはずっとあるんだと思います。
つまりそれは、創業から今まで、会社が変化し続けている、進化しているということへの証明でもありますよね。
そうですかね。トップの柔軟な思考とスタッフの対応力には頭が下がるばかりです。
育児的な面で言うと、オリーブに勤めて良かった点はありますか?
そこは凄くありますね。育児していると突発的に迎えに行かないといけなかったり、時間で区切れない部分がどうしても出てくるんですが、そんな時はいつも家庭を優先させてくれます。急な事態でもすぐ「フォローするから行ってきな!」って。
素晴らしい!あと会社にお子さんを連れて来たりもするんですもんね。
しますね。会社の皆が子供と遊んでくれるので、子供も我が物顔で会社にいる、みたいな(笑)。
自分の庭のような感覚で(笑)。子供がいる人にはとてもありがたい環境ですね。
それはもう、本当に。助かってます!
最後に佐規子さんにとって、オリーブはどんな場所だと思いますか?
う~~ん。自分にとっては愛しい子供のような。もちろん腹が立つこともあるけど、本当に幸せだ~!っていう景色も見れたりして。本当に会社が赤ん坊みたいな頃から見てきて、成長を楽しみに見続けてきた自負もあります。なので、私がオリーブのことを1番好きだぞって勝手に思ってます(笑)。
*1 エルパ…遊佐町にある、スーパーやホームセンターが立ち並ぶローカルショッピングセンター。
*2 ハニカミムービー…低価格で高品質な結婚式映像が作れる、オリーブオリジナル商品。いち早くLINEでの打ち合わせを導入する等、手軽で分かりやすい顧客ファースト視点が好評の人気サービス。
ハニカミムービーはこちら
INTERVIEWER
早稲田大学法学部中退後、山形県に移住し米農家となる。
2014年、ヒルクライムバイクのイベント「Hill Climb TOHOKU」を皮切りに農業と並行してMC活動を開始。以降、バイクイベントだけでなく地域イベントでもMCを務める他、結婚式司会等も経験。コロナ禍においてオンラインイベントのMCでも好評を博す。
現在、酒田FMハーバーラジオにて自身初となる冠ラジオ番組「シャドウ國本のだいたい大丈夫」に出演中。FM山形の特番出演など露出を増やし、国内でも稀に見る「農家MC」として着々と活動のエリアを広げている。