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STAFF INTERVIEW!

頼れる技術と機械の匠。ベテランメカニックは自称・用務員!?佐藤徹さんインタビュー

PROFILE

佐藤 徹(テツ)

システム/エディター

どんな仕事してる?
機材管理から社内全体のフォロー
撮影 編集 カラーグレーディング
ひとこと
オリーブの用務員

INTERVIEWER

國本 琢也

端正な顔立ちをいい意味で裏切る、素朴で自然体な立ち振る舞い。我を出さず、粛々と映像を量産しながら社内の機材全てに精通するその姿は、正に会社を支える屋台骨!10周年インタビュー第5弾はITガテンなナイスガイ、佐藤徹さんの登場です。

オリーブ設立以前から創業メンバーと親交が深かったという徹さん。まずは徹さん視点で、オリーブ創業前後のお話を伺いたいです。橋本さん(代表取締役)とお知り合いになったのはいつ頃でしょうか?

ハッシー(橋本)とは元々職場が同じ工場で、そこからの付き合いです。職場のみんなが仲の良い所で、その中に自分もハッシーもいた感じです。その後お互い転職して、そこからハッシーは独立して結婚式の映像を作り始めてました。転職してからはたまに連絡取るくらいでしたけど。

佐藤徹

元々仕事仲間で、程よい距離感だったわけですね。そこからオリーブに参加するようになったのはどのようないきさつですか?

それからしばらくして、龍神月山*1を見物に行った時に、たまたまそこにハッシーもいて。当時は余目で仕事していた時期(工藤佐規子さん記事参照)で、お互いの近況を話したりしました。それを皮切りにハッシーからイベントの手伝いに誘われたりするうちにまた付き合いが深まって、自分も余目の工藤家に入り浸るようになって。

入り浸る(笑)。きっかけは友達付き合いの延長だったわけですね。余目では橋本さんの仕事を手伝ったり?

いや、主に作業してるハッシーの後ろでソファーで寝てました(笑)。

佐藤徹

マイペース!(笑)。その後、仕事としてオリーブに加入する経緯を教えてください。

オリーブが株式会社になるタイミングで、「一緒にやる?」って聞かれて、「やる」って言って。

…それだけ!?(笑)当時としてかなり大きな決断じゃないんですか?職種も変わるし、その時点では先のことも分からないし…

自分的にはそこまで大きい決断でもなかったですね。映像に興味があったわけでもないけど…面白そう、とは思いました。ハッシー達と何かやるのは楽しかったし、普通の会社じゃないのも面白いし

佐藤徹

普通の会社じゃない、というのは?

一般的な会社だとやることが決まっていて、従業員は決まった業務をしますよね。でも当時のオリーブは、「これがやりたいんだけど、どうしたらいい?」っていう所から仕事が始まる。新しいことはメンバーごとのスキルの差もあまりないから、全員同じタイミングで上がっていける。そういうゼロからのスタートという点に魅力を感じていたかもしれないです。

お~。業種というより、仲間と1から作り上げていくところが良かったんですかね。

そう、だから逆に今のオリーブに入って欲しい、と言われたら結構悩むと思いますね。組織がある程度できた状態だと。

佐藤徹

そうなんですか!?それもすごい話ですね。ともかく入社して、創業当時のオリーブの雰囲気はいかがでしたか?

楽しかったですよ。もちろん仕事はありつつ、あの当時は今よりも時間的な余裕があったというか。そこまであれしなきゃこれしなきゃ、っていうこともなく。

それからどんどん忙しくなっていくわけですね。その当時の仕事内容はどんなものでしたか?

結婚式の撮影と、その編集ですね。ちなみにだけど、オリーブは株式会社になってからPCをMacに切り替えたんですよ。だから使うソフトも変わって、その知識も全員ゼロからスタート。作業フローもまだまだ固まっていないので、作業効率が良くない分時間がかかって、納品の前日ギリギリまでみんなを作業したりして。今はそんなことないですけど。

会社立ち上げ当初らしいエピソードですね。会社が成長するにつれて、仕事内容に変化はありましたか?

映像編集の仕事が基本なのは変わらないですね。そこにその時々で新しい仕事が増えていったという感じです。写真撮影の出張だったり、今で言うと配信の作業とか。

コロナ禍もあって、映像配信の需要はかなり高まっていそうですね。配信について、徹さんの役割はどんな所でしょうか?

今のところ、配信に使う機材一式の組み方・使い方を全て把握してるのが自分だけの状態です。なので常田くん(オリーブスタッフ)にそれを教えたりしています。新しい機材を導入する時に、最初に機材を触って基本操作を覚えるのも自分の仕事いうか、役回りになっているので。

佐藤徹

機材の使い方については、徹さんに聞けばなんとかなるという感じですか。心強いですね!

新しい機材のセットアップとかは好きですね。自分の所属部署は制作部ということになってますが、社内での立ち位置について自分の意識としては用務員。

佐藤徹

用務員?(笑)

機材・備品の発注担当だし、機材が届いたら1回触ってみて、操作を一通り覚えてからメインで使う担当にこんな感じだよって説明する役なんです。オリーブにいる中で、気づいたらいつの間にかそんな役回りになってて。

おお、それは確かに用務員ですね!…用務員かな?(笑)機械さわるのはお好きなんですか?

結構好きですね。元々バイクが好きで、自分でいじったりするのも楽しい。それこそバイク好きだったからこそ龍神月山を観に行って、そこでハッシーに再会して余目の家に遊びにいくようになった、ということもありますし。

確かに!そう考えると運命的ですよね。元々器用というか、機械に触る機会も多かったので慣れていった部分もあるんですかね。

あるかも知れないです。工場勤務の時も機械操作が仕事のメインだし。機械の動く原理というか、どんな機械でも大体動かし方は同じかなという感覚はあります。地元が遊佐の山の方なのですが、結構面白い村で。なんでも自分で作っちゃうおっちゃんとか、叔父さんがバイクトライアルをやっていたりとか、変わった人が多かったんですよ。そういう人たちの影響で機械なり、自分で手を動かすことの楽しさを自然に学んでいったところはあるかも知れないです。

子供の頃の環境は大きいですね!面白い大人たちと自然に囲まれて。いいなあ。

地域対抗の運動会とか、地元でありますよね。なぜかうちの村だけ若者の参加率が異様に高くて。オリジナルのTシャツとか作って参加したりしてましたね。あそこの村だけなんなの?って(笑)。不思議な村です。

村中で仲良かったんですね(笑)。そういった自分のルーツの影響も少なからずあると。今まで使った機材の中で、お気に入りのものや思い出深いものはあったりしますか?

会社的には、キヤノンのEOS C100っていうシネマカメラを買った時は、仕事が変わった感覚はありました。一眼レフのようなシネマトーンで撮影ができるので、映像のクオリティが一気に変わった感覚があって楽しかったですね。

佐藤徹

おお、それはひとつの転換点も言えそうですね!担当の仕事について、この仕事は自分が受け持ちたい!とか自分の希望を出したりはしないんですか?

あ~、そこまで我は出さないですね。自分の場合、どんな仕事がしたいかと言うより、もらった仕事の中でどう楽しむか?を考えてます。仕事の内容がなんであれ、どこかしらに楽しめるポイントがあるんです。

なるほどなるほど!それは仕事においてひとつの極意とも言えるかもしれないですね。例えば、映像編集はどのあたりに楽しさを見出していますか?

編集で言うと、最近ではどれだけ早く仕事をこなせるか、どれだけ手数を減らして流れを切らさずに仕事できるかを考えたりしますね。PCのマウスがちょっといいやつで、複数のボタンにショートカットキーを自分で割り当てられるものを使っています。そうするとキーボードに触ることなく一連の作業ができたりする。

そんなこだわりが!(笑)

作業の流れを作りたいんですよね。勢いがついてきたらその勢いのまま作業したいというか。作業がノってきた時なんかは、マウスから手を離してキーボードを触ることも流れを切る感じがして。

確かに指先一つで作業が完結すれば、集中力が途切れず作業できるかも。他にも制作の部分でのこだわりもあれば伺いたいです。映像業界のようないわゆるクリエイティブ職の場合、モノづくりの情熱というか…他との差別化を作るアーティスト意識みたいなものを出したりすることはないですか?「これがワシの映像じゃい!」みたいな。

(笑)。そういうことはあまり考えないですかね。自分が映像を作る時は、1度無難な編集の映像を一旦作るんです。そこから少し色付けというか、こうしたらより見やすくなるかな?というプラス要素を少しずつ足していく、という作り方をしてます。

あ、そうなんですか…「ワシの」ないですか。気質的には0から1を作るタイプと言うより、1を5や10にしていくタイプというか。

細かい改善は好きな方かもしれないですね。ベーシックなものを土台にして、より良くするために少しずつ足していくという。使う道具にしても、新しい物は好きだけど、何か買ったら自分に馴染ませながら長く使う方ですし。特に靴は長く使います。

佐藤徹

靴ですか。そこも何かこだわりが?

いや、足がでかいのでサイズがないんです。29センチ。

デカいですね!!(笑)

身長は176cmくらいなので、そんなに大きいわけでもないんですけどね。そこは別として(笑)、仕事にしても道具にしても、使い続ける中で面白さや自分に合うところを見つけていく傾向は昔からあるんだと思います。使ってみて微妙かなと思う道具でも、使い続けることで好きになったりしますし。

なるほど。我を押し出すのとは違った芯がありますね。ただその技術があれば、自分で好きな映像作ってみたい!とか思ったりしませんか?例えば橋本さんが映画を作られたり*2しているじゃないですか。そういった自分の作品を作りたい!という願望はあったりしますか?

あ~…自分で映画作りたいとは思わないけど、映画用の機材で撮影してみたいとは思いますね。監督としてではなく、技術者として映画の現場を見てみたいなというか。

あ、そっちか!(笑)。職人肌というか、目線は常に技術者の視点なんですね。玄人筋というか。

そうですね。昔から職人の仕事を見るのは好きでした。工場勤務してる頃でも、ベテランのおっちゃんの仕事が凄い!とか。匠の技じゃないけど、そういう仕事を見るのは好きですね。本当に暇な時にYouTubeで刀鍛冶が刀を砥いでるのをボーッと見て凄いな~…とか。

刀鍛冶…?(笑)。10周年のここまで、場所や人がなど、様々な変化があったと思います。徹さんとして、この会社の変化はどう受け止めていますか?

う~~ん、でも仕事を楽しむ姿勢というのはずっと変わってないですね。人が増えて業務も新しいことが増えたりしていますが、自分を含めそれぞれ楽しみながら仕事をしているという点は今まで共通している気がします。

佐藤徹

ー仕事の仲間として気心も知れていて、自分の楽しむ姿勢を活かせる場所でもあり続けていると。

仕事が休みでも、なんかボケーっと会社来ちゃうみたいなところもあって(笑)。休日もオリーブの人と遊ぶことも多いですし。ハッシーをはじめ創業のメンバーとは、最初から仕事で会っている関係でもないですし。

ある意味では、余目の工藤家でワイワイしていた頃の延長でもあるかもしれないと。会社は成長していきつつも、10年前の精神も変わらず残っているということなんでしょうね。

そうかも知れないですね。さっき言った技術者目線での仕事の仕方ではありつつ、仕事だけをしにきているわけでもない感覚はありますし。そこは特殊なバランスだと思いますね。

そんな徹さんの中で今後オリーブがこうなっていけばいいな、という展望はありますか?

もっと会社の認知度を上げたいな、と思うことはあります。この10年でオリーブもそこそこ知名度は出てきたかなとも思いますが、まだまだ広がる余地がある。人数も仕事量も増やして、会社のキャパシティを上げていきたい気持ちはあります。

まだ仕事量増やしますか!結構皆さん忙しくしてる印象ですが。

今の人数のままだと仕事のキャパシティには当然限界があるので、人を増やすことで組織として仕事の総量が増やせたり、今は部署を兼任する人も多いけど各部門の専門職として更に技術を磨ける、ということはあると思うんです。それを続けていけば、もっと会社としてステージ上がった所で仕事がしていけるかなと思っています。

なるほど…そんな野望があったとは!(笑)これからも変わらないものは持ち続けて、一緒にオリーブやっていこうと。

そうですね。このままいるだろうな~、って(笑)。

軽い!(笑)いやでも熱い!!本日はありがとうございました!

佐藤徹

*1龍神月山…庄内町で開催されるオフロードバイクイベント。川上を走る全国的にも珍しいコースで人気を博す。現在はコロナ禍の影響で昨年から開催中止。

INTERVIEWER

國本 琢也
1986年生まれ、神奈川県出身のMC、ラジオパーソナリティー。
早稲田大学法学部中退後、山形県に移住し米農家となる。

2014年、ヒルクライムバイクのイベント「Hill Climb TOHOKU」を皮切りに農業と並行してMC活動を開始。以降、バイクイベントだけでなく地域イベントでもMCを務める他、結婚式司会等も経験。コロナ禍においてオンラインイベントのMCでも好評を博す。
現在、酒田FMハーバーラジオにて自身初となる冠ラジオ番組「シャドウ國本のだいたい大丈夫」に出演中。FM山形の特番出演など露出を増やし、国内でも稀に見る「農家MC」として着々と活動のエリアを広げている。